ひとまず無事に小豆島移住を果たしたあとは、思った以上に慣れるのが早かったです。
結局、現地での仕事となるとわたしの場合は朝8時半から17時までは週5日働くことになったので、自然と日々の生活の流れが固まってきました。
当時のシェアハウスの住人さんたちは、自宅でできる仕事の人もいればわたしと同じように島の中で出社する働き方の人もいました。
みんなバランスよく生活の時間がずれていたためキッチン利用や風呂の時間にはあまり苦労はしなかったのもストレスなく暮らせた要因かと思います。
ほどほどの距離感を保ちながらの生活だったので、小豆島についての情報交換なども度々あり、時には一緒にイベントに行ってみたりなどもあって丁度よい環境で思い返せば最高だったなと思います。
数日前にのんびりとしたお誘い
そんな7月のある日シェアハウスのオーナーさんの提案で中山地区の〈虫送り〉をオーナー夫妻とハウスの住人と見に行くことになりました。
虫送りは、約300年前から伝わる中山地区の伝統行事で、半夏生(夏至から11日目)の日に火手(ほて)と呼ばれる竹の松明を田にかざしながら、畦道を歩き、害虫を退治して豊作を願うものです。
小豆島旅ナビhttps://shodoshima.or.jp/sightseeing/detail.php?id=313&c=6
中山地区では一時期、途絶えていましたが、映画「八日目の蟬」で重要なシーンとして「虫送り」が行われたことをきっかけに復活しました。
「とーもせ、灯せ。」の声をかけながら、火手を持ち、青々とした稲が育つ棚田の畦道を歩きます。真っ暗の中、列をなした火手の光がゆらゆらと揺らめきならが動いていく風景はとても幻想的です。
(現在は中山地区では半夏生の後の土曜日に行われることが多くなっています。)

到着したときはまだ空が明るく棚田と火手の灯りがどちらも見えてとても綺麗でした。
ちなみにこの火手を持つには事前予約したのち、当日の決められた時間までに集合場所に行かないと行けなかったので仕事終わりに行くと間に合いません。
個人的には持つよりもこうやって全体的に眺めるほうが性に合っているので問題なかったです。
見る場所によっては自分たちの真横を火手を持った参加者が歩くのでこれもなかなか見ものです。

思っているよりも大きな火手なのでちょっとビビります。
ゆっくりと進む列をぼんやり眺めているとあっという間に日が暮れてきます。

日が暮れると棚田はほぼ見えず火手の灯りだけになるのでなんとも幻想的な雰囲気でこれまた良いです。
この年は天候にも恵まれてしっかりと見ることができたのですが、翌年、翌々年と天候不良で小雨の中であったり、時間が早まったりでベストな状態ではなかなかお目にかかれませんでした。
なので初めて行った年にしっかりと見れたことは後々考えてもよかったなあと思います。
小豆島はおまつりやイベントをちょくちょくやっていますが、わたし個人としてはこの虫送りが一番好きかなと。
〈虫送り〉を見に行ったあとにみんなでファミレスに行ったこともよき思い出です。
こういうのを今後は自分の家族とするようになったりするのかと思うとこれまた感慨深い。
今年の7月はわたしと娘は東京の実家にいる予定なので家族で〈虫送り〉を見に行くのはまた来年の話になりそうです。
では今回はこのあたりで。